働くことから逃げ続けた分だけ、
末長く仕事をしたい

2016.09.05

発売以降、各国の吃音者に読まれている『吃音を生きる』。自身も吃音者であり、翻訳をした辻 絵里さんの生き方とは?

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Q&A

小さい頃からの夢を教えてください。

「小学生の頃は、女子プロレスの熱狂的なファンでした。学校では、どもるから強気になれなかったのでプロレスラーのように、強くなりたかったんです。

 中学生くらいになると、英語が好きだったのと、海外に興味があって、海外駐在員、特に新聞社の海外特派員になりたいなと思っていました。また、本が好きだったので、“出版社に勤めたい”とも思っていました。

 高校生になったら“どもってたら無理かな”とか、現実的に考えるようになって、自分が好きな英語を使いつつ、喋ることが求められる職業ではないだろうということから“翻訳家”という選択肢・職業が出てきました。」

昭和史が好きになったきっかけを教えてください。

「19歳の頃、江利 チエミさんの曲が唄う「カモンナ・マイ・ハウス」を聴いて。

江利さんは、10代の頃から進駐軍のキャンプでも歌われていたのですが、そこから戦中、戦後、と興味の対象が広がっていきました。」

翻訳する本はどのように見つけますか?

「アマゾンで、“吃音”を調べると、レコメンドで、違うテーマなんだけど、似ているジャンル・・・どこかで緩やかにつながっているテーマの本が出てくるので、そこから作品を見つけることが多いです。」

 

ご自身の自己実現に、吃音はどのように、どれほど影響したでしょうか。

「アメリカでは、本当にどもって、どもって、思うように声が出ない3年間を過ごしました。喋れないから、読んだり、書いたりする力を伸ばす方向に力を注いだことが、翻訳の仕事に繋がったと感じています。

 せっかく留学したのに英語が喋れないのは、残念に思います。当時、一緒に留学していた日本人の留学生が、どんどん英語が堪能になっていくのを横で見ているのは悔しく、心底羨ましかったのですが、その分、リーディングとライティングは頑張ろうとした結果、翻訳の仕事をする基礎となりました。」

 

今後の目標(これからしたいこと、目指す姿など)や夢を教えてください。

「会社勤めを続けながら、翻訳本を出していきたいです。20代に働くことから逃げ続けた分だけ、今後は、末長く仕事をしたいと思います。」

吃音女性にむけてメッセージをお願いします。

 

「“女性吃音者”と一口で言っても、性格や環境も、ライフスタイルも違います。結婚している人、していない人。子供のいる人、いない人がいて、人それぞれです。“自分の望むものを含めた自分らしさ”を大切にして、伸ばしていきたい・・・と、私自身そう思っています。」

 

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会社員/翻訳者 辻 絵里さん

 

プロフィール

会社員/翻訳者

海外学術出版物の輸入販売会社に勤める傍ら、翻訳を行う。代表作は、キャサリン・プレストン著の「吃音を生きる」。

趣味は、昭和の歌謡曲を動画サイトで視聴することとランニング。お気に入りの歌手は美空ひばり、江利チエミ。ランニングをすると、心身の巡りが良くなって、なんとなく話しやすくなるので、大事な電話をかける前に走ったりしていた。昨年の転職以降、時間がなくて走れていないのが残念とのこと。

『吃音を生きる』(原:OUT WITH IT)

キャサリン・プレストン著

吃音のある英国人女性による自叙伝(メモワール)

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