ありのままの自分を好きになることが、
なりたい自分になる第一歩

2016.12.03

SLP※として、異国の地で様々なコミュニケーション障害をもつ子どもたちに寄り添う吉田さん。逃避していた過去から“ありのままの自分を受け入れること”にたどり着くまでのお話を伺いました。

※SLP(Speech Language Pathologist:言語聴覚士)

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◆Q&A

今後の自己実現、目標(これからしたいこと、目指す姿など)を教えてください。

 「仕事に関しては、やりがいがあって、まだまだ挑戦することがあるので、今は転職は考えていません。

 プライベートの目標としては、コミュニケーション力を改善することです、カウンセリングを通じて。表面的な吃音の症状や事実を受け入れることができるようになっても、それによって長年影響を受けた心の曲がりや悲観思考とかって、実はとっても根が深く、私という人間をしっかり作り上げてきているんです。

 コミュニケーション障害の専門家として仕事をしていながら、実は自分もそのスキルがなくセラピーを受けている・・・なんか変だけど、私自身患者側の席に座っているからこそ、患者さんや生徒達といい関係を築いていけるかもしれないですね。あ、なんかこれって何年か前の私の夢だった気がする・・・!」

 

日本では言語聴覚士の養成課程では、あまり吃音について時間が割かれないようで、吃音が苦手な言語聴覚士も多いと聞きます。アメリカではいかがですか。

 「アメリカにおけるSLP養成課程(修士課程)のなかに、吃音という題材はほとんど入っていません。

 今年7月に行われた米国アトランタでのNSA※会議では、以下のことが紹介されました。例えば、吃音という障害は発声だけでなく感情、知覚と、さまざまな視野からの影響を治療しなければいけないと言われる中、“アメリカの75%のSLP養成修士課程は吃音という名目のクラスがない”と。しかしこの現実は、全く新しい報告ではありません。別の言い方をすれば、吃音という障害の知識がなくとも、SLP養成課程を修了し、国家資格を取れば、SLPとして吃音者を法的に治療することができるんです。

 また、吃音に限らず、SLPの職務上、患者やその家族から障害をめぐる様々な相談に対応することも、セラピーの必須の一環であるにもかかわらず、“アメリカの90%のSLP養成修士課程ではカウンセリングというクラスは必須ではない”という調査結果も。これは、現場のSLPは、私も含め、その必要性を実感しているはずです。

 そんなアメリカの現状でも、吃音のセラピーの現状として私の個人的な意見を言うと、言葉の発生の改善、練習だけでなく、吃音の知識、考え方、そしてそれらが本人の対人関係にどう影響しているか等、心の症状を癒し改善していくことも不可欠ということに、それができているかは別として、SLPの意識が徐々に高まっているように思います。これは、最近参加した、米国SLPの学会(American Speech-Hearing and Language Association)にて確信しました。」※NSA(National Stuttering Association:言友会のアメリカ全土版)

 

 「多くの吃音者は、“吃音をなくす”ことを第一に目標とし、その結果で治療/セラピーの価値を判断しているように思います。私も以前はそうだったように。

 でも、“見える”吃音の症状って、ある意味美容の類に入るような気がするんです・・・例えば外国語のアクセントをなくすとか・・・。もちろんニュースキャスターはきれいにわかりやすく、スムーズに言葉を発しなければなりません、仕事ですから。でも一般人のコミュニケーションの根本は、伝える、理解する、応答する、というシステムなんです。それがお互いに分かり合えるのなら、どもったって、訛りがあったって、いいと思うんです。これも、アメリカに住んで感じたことですが、コミュニケーションをうまく取るということは、伝え方(how)ではなく、 伝える内容(what)を重視しなければいけないということ。また、個人的な経験からの例えですが、強い外国人訛りの英語を話す友人を私はあまりいい目で見ていなかったのですが、彼女はそんなことには全く気にせず、周りをとりこにするようなユーモアのセンスがありました。

訛ってても、どもっても、自分の思いをしっかり自信をもって言える人って、話がいがあってもっと話したいって思います。つまり、言葉のキャッチボールができる。あるひとは投げるフォームにこだわるでしょう。そしてあるひとは、めちゃくちゃなフォームで、でも楽しんでボールの交換をするでしょう。わたしは後者のようになりたいんです。今までの年月を振り返って、もし「吃音を受け入れるって、どういうこと?」って聞かれたら、こう答えます:カッコ悪い自分をカッコいいって思えるようになったこと、って。まだまだ、カッコ悪さは足りないんですけど(笑)。」

 

大切にしている言葉を教えてください。

 「大切にしている言葉・・・いろいろあるんですけど、一つ選ぶとしたら、“尊敬”かなあ。9月から“実用する哲学”というクラスをとっているのですが、そこで紹介されたすてきな引用があります。

 ”Whoever is in front of you is your teacher./目の前にいる人誰もがあなたの先生です。”

 様々な人種、文化、価値観、地位、教育の有無等が存在するアメリカで学んだことは、言葉の持つパワー。言葉は人を微笑まし、励まし、優しくする反面、罵り、傷つけ、命をも奪ってしまう、強力な道具だということです。そしてこれは、英語を第二外国語として使い話なす、どもりがある私だから分かること。そんな実体験の中で得たものは、謙虚さの尊さ。そう思うと、私の価値観はやはり日本にある、アメリカへ来てその美しさと大切さに改めて、気が付いた気がします。」

 

吃音女性にむけてのメッセージをお願いします。(伝えたいこととか)

「勇気をもって、心を開いてください。殻をひとつづつはがして、楽になると、人生より一層いろいろなものが見えたり経験できたりして楽しいですよ。」

SLP(言語聴覚士) 吉田 ゆうこさん

 

プロフィール

アメリカ・ニューヨークの市立高校でSLPとしてコミュニケーション障害をもつ子どもたちと向き合う。週末に時間があるときは、猫と戯れたり、手芸で小物づくりをしたりするとのこと。

お財布

内側のポケットが絶妙。カードやお金を出し入れしやすそう!

コースター

​リサイクル素材で作ったもの。

ねこの服

古着の赤ちゃん服をリメイク

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